資治通鑑では、「度る」という言葉があります。
「わたる」と読みます。
「度る」の例
「辛酉、世充、諸軍に命じ、各々浮橋を造り、洛を度りて密を撃たしむ。」唐記一 P2
「化及、河を度りて黎陽に保し、兵を分ちて世勣を圍む。」唐記一 P28
「事勢已に然り。吾將に卿を濟うて南に度らんとす。同じく死すとも何の益あらん」唐記一P46
「突厥の始畢可汗、其衆を將ゐて、河を度り、夏州に至る。」唐記三 P84
「唯だ李世勣、數百騎を以て走りて河を度る。」唐記三 P106
これらの文章を読むと
・軍隊を急速に動かして、秩序が多少乱れた状態で、河を渡っている。
・死んでも何も益がないと、マイナス表現で使用している。
・異民族(突厥)に対して、まばらに河を渡っていると、表現している。(中国側からみて)
あまり、良い表現では無い様に見えます。
「度」という言葉自体に、「度胸」「度を超える」「度が過ぎる」「度量」「度忘れ」があります。
要するに
度を超えて異民族が侵入してくる。
秩序が乱れて、又は無い状態で河を渡っている。急いで渡る。
忘れたころに異民族はやってくる。
ことを表現しています。
この「度る」という言葉にも、色々と意味が込められていると思うと、資治通鑑はより面白くなると思います。
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